めかり饅頭本舗 柳月堂
テイクアウト・お土産
和布刈神社の伝統祭事をモチーフにした由緒正しき老舗銘菓
2023年1月4日
門司港で古い歴史を持つ老舗菓子店といえば
明治・大正時代に鉄道と港で栄えた大都会・門司港。
商機と考えた初代店主が清滝地区で創業以来、101年目を迎える老舗菓子店が「柳月堂(りゅうげつどう)」です。
商業都市と炭鉱景気で栄えた2つの町が生んだ郷土銘菓
関門橋を間近に、九州の最北端に鎮座する和布刈(めかり)神社。
旧暦の元旦に執り行われる「和布刈神事」は、神功皇后が潮の満干の法珠を授かった様子を和布(わかめ)・荒布(あらめ)に見立てた祭事です。
湯立神楽の奉納後、漆黒の烏帽子、狩衣、白足袋に草履姿の神職たちが松明の光を頼りに干潮の海の中でわかめを刈り取る光景はとても幻想的。
この神事にちなんで130年以上も(他の菓子店から継承)つくられて来たのが、門司港名物「めかり饅頭」。
関門海峡に浮かぶ島「満珠(まんじゅ)」「干珠(かんじゅ)」をかたどった可愛いひと口サイズで、源平合戦の紅白旗をイメージした粒あん(黒)、こしあん(白)の2種類の味が楽しめます。
材料はすべて国産で、一つひとつが昔ながらの和菓子職人による手づくり。上品な甘さとサイズ感も相まって、あっという間に食べてしまうので、箱入りがおすすめです。
昭和33年には、高松宮妃殿下がお買い物に上がられたというエピソードも。
門司港と時を同じくして、隣町の直方市は炭鉱景気に沸いていた頃。
青年が豆の売買で利益を上げられず失敗。白あんの練り饅頭が好評を博し、炭鉱で財を成したことから名付けられたのが「成金饅頭」です。その噂が門司港の菓子店に広まり、炭鉱の人たちのお土産品としてつくられるようになったそうです。
ひと口食べてみると、厚みのあるふわふわの生地に豆の粒感を残した白あんが後口の良いどら焼きといった印象。ねじ梅の焼印がトレードマークですが、元祖のお店に敬意を表して右巻きを左巻きに変えた話があるとか、ないとか。面白いネーミングなので、お土産にすれば旅の思い出話に花が咲きそうですね。
国鉄ファンは必見!九州を走った列車グッズも名物
お店に入るなり、目に飛び込んできたのが壁一面に飾られている列車グッズ。3代目社長の石井さんは、地元では有名な鉄道ファンなのです。
国鉄時代の行先標示や特急列車のヘッドマークがまるで文化財のように大切に保存、展示されています。鉄道ファンならずともわざわざ立ち寄る価値はあります!
もちろん、お菓子の購入もお忘れなく!ショーケースに並ぶ門司港の歴史や地名にちなんだ和菓子や昔ながらの洋菓子が20年以上も変わらない安価で買えるのも魅力。地元や観光客にとことん優しいお店なのです。
※令和4年12月現在の情報です。
店舗情報
- 店舗名
- めかり饅頭本舗 柳月堂
- 電話番号
- 093-321-0905
※お問合せまたはご予約の際は「あつキタ」を見たとお伝えいただくとスムーズです。
- 住所
- 門司区栄町1-13
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 店休日
- 日曜
- 駐車場
- 近くにコインパーキングあり
この記事を書いた人
あらい くまこ
空の雲でさえ、綿飴に見えてしまうほど食いしん坊なフリーライター。食べ物を目当てに国内外を旅した機会は数知れず。食品開発、スイーツ店勤務の経験も持つ。市内の産婦人科内のサロンでアロマセラピストとしても活動中!